風通しを心がけなさい

地域ごとの風向きをふまえて風通しを心がけなさい

日本家屋の美的デザインに通じる
日本は温帯モンスーン気候に付置しており、高温多湿への対応が家づくりの重要な条件になっている。そのため、日本の民家は外に「開いた」構造をとり、「風通しをよくする」様々な工夫を積極的に取り入れてきた。昔の家は隙間が冬で、自然に換気ができていたにもかかわらず、換気や通風にいっそうの配慮をしたのだ。たとえば、飛騨白川郷の合掌造りは、2階から上の部分が蚕のための部屋になっている。ここに風を通すため、合掌造りでは常時吹く風にあわせ、地域ごとに決まった方向に開口部が設けられた。かっての東京でも、夏は東京湾から南南東の風が吹き込むので、東西に長い建物が多く見られた。地方によっては、風の友側を変え、あるいは強風を和らげるため、大屋根の上の越屋根や、建物の周囲の生垣、防風林などの工夫が見られる。家の中でも、厠の地窓、続き間の欄間、葦や割り竹でできた夏障子・簾障子などがある。このように、通風への配慮は日本家屋の美的デザインなのだ。これに対し、現代の家は一般に、南側にできるだけ大きな窓を設けるものの、東西側や北側には隣との関係もあり、開口部をとらない。しかも、建物内部は細かく壁で仕切られ、窓から入った風が家の中を通り抜けることは考えられていない。日本の気候風土を踏まえた間取りを考えるために、風通しに対する伝統的な配慮をもう一度見直してみるべきではないか。

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